Local土木屋さん「技術士 総合技術監理部門 試験対策」


2. 試験対策
 総監の試験で問われる技術は、他部門の試験で問われるものと同様ではありませんので、試験対策もずいぶん異なります。専門技術力がベースにはなりますが、考え方や解決手段は「総監技術」によらなければなりません。

(ア) 出願
 出願様式は他部門の技術士試験と同様です。しかし、記述する内容は異なります。例えば業務経歴においては、「課題解決能力」を主としての成長過程ではなく、「総合監理技術力」がどのように培われたかが分かるような記述が必要です。従って、キーワードとして「5つの管理技術」の各項目や、リスクマネジメントなどが必要になります。 業務詳細についても、総監技術力を駆使して困難な業務を遂行したことを説明する必要があります。専門技術による解決では総監技術のアピールにはなりません。 出願書類については、必ず第三者の目を通してください。総監技術士が近くにいるならば、見てもらえたらなお良いでしょう。

(イ) 筆記試験
① 択一式試験
  5つの管理技術ごとに8問、全40問の全てを回答しなくてはなりません。 日本技術士会が示している「総合技術監理 キーワード集」をベースに、過去問題を照らし合わせながら、ネットで検索したり参考図書を読んだりして、取れる問題は確実に得点できるための勉強をする必要があります。
  私は、「キーワード集」からキーワードを拾い出し、エクセルで管理技術ごとに表に整理し、その解説を作成することと、読み込み(声に出して読む)を主に行いました。
 作成した表の一部を添付しますので参考にしてください。

参考01
参考05

 択一は60点取れたら良いと思いますので、ある程度で割切りましょう(あくまで個人の意見です)。択一対策に大事な時間を割くよりも、記述対策に時間を取った方が、あとの口頭試験対策にもなります。
1. 経済性管理
 これは本当に幅が広すぎて、キーワードは生産の現場にいないと分からないようなものばかりです。品質管理や工程管理手法は工事でも使う物があるので目にはしますが、自分は発注者の立場だからほとんど作成まではしませんからね。ましてや、元利償還や線形計画法などの計算問題は、時間があったときの後回しとしました。

参考にしたサイト
 Wikipedia
 (株)日科技研HP
 JISC日本産業標準調査会 など

参考図書
 テキスト経営学(第3版) ミネルヴァ書房
 経営学入門キーコンセプト ミネルヴァ書房
 建設エンジニアの仕事術 森北出版
 図解でわかるISO9001のすべて 日本実業出版社

2. 人的資源管理
  これも割と幅広いです。人の行動と組織から始まり、組織体系や労務管理、関係法令と盛りだくさん。割と好きな分野なのですが、その割には得点が伸びなかった。

参考にしたサイト
 Wikipedia
 厚生労働省
 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
 中央労働委員会 など

参考図書
 テキスト経営学(第3版) ミネルヴァ書房
 経営学入門キーコンセプト ミネルヴァ書房
 よくわかる組織論 ミネルヴァ書房
 経営から学ぶ人的資源管理 有斐閣ブックス
 人・仕事・職場のマネジメント ミネルヴァ書房
 組織マネジメント教室 PHP研究所
 リーダーシップは誰にでも身につけられる 星雲社

3. 情報管理
  ICTは日進月歩の世界です。法令も変わるし、おそらくキーワードも毎年更新されるでしょう。しかし、それ以外の基本的な部分はそんなに変化はないはずなので、その辺りを確実に押さえるとよいでしょう。

参考にしたサイト
 Wikipedia
 経済産業省
 総務省 など

参考図書
 情報通信白書 総務省
 日経パソコン

4. 安全管理
 安全とは何か、から始まり、労働安全、危機管理、リスクマネジメント、システム安全工学手法まで幅広い。これらに関する法律も押さえる必要あり。これも割と好きな分野ですけど、点が伸びませんでした。

参考にしたサイト
 Wikipedia
 経済産業省
 厚生労働省
 総務省 など

参考図書
 厚生労働白書 厚生労働省
 労働安全衛生(OHSAS)入門 日本規格協会
 ヒューマンエラー 丸善
 初めて学ぶ人間工学 理工図書
 ISO31000リスクマネジメントの国際規格 日本規格協会
 ISO31000リスクマネジメント解説と適用ガイド 日本規格協会
 リスクの総和は変わらないどのリスクを選択するかだ リスク36景 日本規格協会
 人と組織の心理から読み解くリスク・コミュニケーション 日本規格協会
 リスクマネジメント 目標達成を支援するマネジメント技術 日本規格協会
 リスクマネジメントの実践ガイド 日本規格協会

5. 社会環境管理
  この分野も変化が激しいため、キーワードが更新される可能性が高いです。地球的規模の環境問題から環境アセスメントまで幅広い。もちろん法令も含まれます。不得意だったので重点的に勉強しました。

参考にしたサイト
 Wikipedia
 環境省
 経済産業省
 国土交通省 など

参考図書
 環境白書 環境省

(ウ) 記述式試験
 やはり、総監試験の難関はここです。問題は各科目共通で1問しかないのですが、問題文がやたらと長いです。おまけにページが多い場合があり読みづらい!
 また、課題指定の場合と事例を挙げさせる場合(これも実例と仮想事例の両方あり)など、複数の出題パターンがあります。過去・現在・将来にわたる変化の中で解決されること、されないこと(残ること)、将来解決されるけど新たに生じるリスクを問われるなど、内容も実に深い。更問いの内容も前段を踏まえたものとなっており、きちんと質問の意味を理解して解答していかないと、最後につじつまが合わない混乱した答案になるおそれがあります。
 従って、この記述試験は時間が3時間半もあるのですが、最初の1時間程度は解答の構成をじっくり考える必要があり、試験会場では鉛筆の音はしばらくは全く聞こえず、全員が腕組みしたり頭を抱えたりしてひたすら考えています。
 試験対策としては、思考プロセスをある程度パターン化しておくことと、実例や仮想事例を求められることが多いので、自分が経験した業務のなかでも数が多いもの(例えば、河川や道路の災害復旧事業の経験が多い方は、それを事例にした方が業務のなかで実際に起こったことや起こりうることなどが浮かびやすい)を選んで、いろいろな問い(R1ならヒューマンエラー、H30なら働き方改革、H29なら持続可能性)に答えられるようにしましょう。
 まずは問題の意図を確実に読み取り、各問いへの解答の過程で流れが途切れないように、簡単なフロー表を作成し埋めていく練習が役に立つと思います。ただし年により、問題用紙にメモ欄が多いときと少ない時がありますので、注意が必要です。

最近の問題に応じた表の事例を添付しますので参考にしてください。
H27 H28 H29 H30 R01

合格した試験での復元回答も添付します。(今読み返すと??の部分もあります)
令和元年試験 1-2 復元回答

参考資料
 前出5つの管理での資料に同じ

その他
 マネジメント ダイヤモンド社
 トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか プレジデント社
 イノベーションのジレンマ 翔泳社
 技術士ハンドブック第2版 オーム社
・トレードオフを勝ち抜くための総合技術監理のテクニック第4版リスクマネジメントのすすめ 地人書館

(エ) 口頭試験
 口頭試験は、他部門と同様に20分が基本です。場合により多少延長されることもあるようです。口頭試験で確認される内容は、「経歴および応用能力」と、「体系的専門知識」です。技術的内容や技術者倫理、法令やCPDなどについての質問はありません。 一般的な口頭試験では、次のような質問が多いようです。

1. 経歴の説明(総監の視点から)
2. 経歴についての質問
3. 業務詳細の説明
4. 詳細業務を受けての質問
5. 5つの管理についての質問

  総監の口頭試験は、何をどこで聞かれるか分かりません。まったく業務詳細についての質問がない場合もありますし、逆に業務詳細についての専門技術的な質問ばかりだったというケースや、なんとなく雑談で終わったような感じだったという場合もあります。
 ですが、ここが大きな分かれ目になるところです。試験官が確認したいのは、受験者の「総監リテラシー」なのです。間違えてもただの雑談で終わったり、専門技術についての質問に対して正直に専門技術だけで答えたりしてはいけません。
 試験官は、あなたの「総監技術力」を知りたいのです。なので、総監の視点(5つの管理やリスクマネジメントでの考え方)を忘れて答えてしまうと、残念な結果となるおそれがあります。常に総監の視点での回答を心がけておきましょう。
  口頭試験での総監思考力を身につけるためには、やはり「模擬試験」を受けるのが一番です。私は本番までに延べ6回の口頭模試を受けました。模擬試験のたびに質問者や質問内容が変わるので、多様な視点からいろいろな切り口での質問を受けることができます。口頭模試は多く受けるほど、場慣れもしますし想定問答を作るときの貴重な資料にもなります。
想定問答集事例

総監技術監理部門
総監の考え方
5つの管理技術
リスクマネジメント 
まとめ
試験対策 
総監受験記
 

 技術士TOPページへ戻る